苦手なあの人とどう付き合う?⑤~行動タイプ(コントローラー)~
これまで「ソーシャルスタイル」について感覚タイプ、協調タイプ、と説明してきましたが、今回は「行動タイプ」(コントローラー)について説明していきたいと思います。
前回までの内容はこちらで確認できます。
行動タイプ(コントローラー)の特徴は?
感情表現度は「低い」、思考表現度は「高い」というタイプになります。感情表現度が低いわけですから冷静沈着でポーカーフェイス、クールな印象のタイプです。その一方で思考表現度は高いわけですから、歯に衣着せぬ物言いをしていくタイプです。なんとなくイメージできるでしょうか?
その性格はズバリ「コントロールしたい人」。起業家などによく見られるタイプで、とても冷静で現実的な考え方をします。仕事などで重視するのは「効率」と「結果」です。また目標達成意欲が非常に強く、リスクを恐れず果敢に挑戦していきます。他者や物事をコントロールすることが好きな一方、コントロールされることは嫌う性格ですから、自分の主義・主張については徹底的に貫きます。行動はとても素早く、あわせて意思決定も早い。他者に対しても同じようにスピーディーな対応を求めます。
行動タイプ(コントローラー)の弱みは?
このタイプの人はストレスを抱えると、「独善的」になります。周囲の意見に耳を傾けず、更に自分の主張を貫こうとします。ただ感情的になるということはあまりありません。あくまでも冷静に対応しますが、場合によっては挑発的になります。「つべこべ言わず、指示に従え。」とか「私の言う通りにすればいいんだ。」といった感じで、つい命令的な口調で相手を従わせようとしてしまいます。
行動タイプ(コントローラー)へのアプローチは?
このタイプの人へのアプローチとしては、主導権を本人に握らせることが重要です。会話では自分から主張せず、まずは本人の意見を聞くようにしましょう。「ぜひ~さんの意見を聞きたくて…」といったように、「教えを乞う」姿勢で来られるとこのタイプの人は心地良く感じます。たとえ反論があってもストレートに反論するのではなく、「こうなった場合はどうしたらよいでしょうか?」といった感じで、あくまで「教えを乞う」姿勢で接した方が良いでしょう。
と言っても、このタイプの人に「質問攻め」することは避けなければいけません。質問を連発すると会話の主導権は、質問する側が握ってしまいます。答える側は「受け身」の姿勢になりますので、行動タイプ(コントローラー)にとっては苦痛な状況となります。
また、このタイプは素早くテキパキと物事を進めたい性格です。報告などの場面で他者に長ったらしくダラダラと説明されることをとても嫌います。まわりくどい言い方は避けて単刀直入に伝えることを心がけましょう。
目標への達成意欲が高く、達成できないことが許せない性格でもあります。仮に、部下がこのタイプだった場合、本人へはしっかりとした目標を定め、加えて競争心を煽ると良い結果につながりやすいです。
一方で、その良い結果を過度に褒めることには注意してください。行動タイプ(コントローラー)は常に「コントロールしたい」という欲求を持っています。時に他者から「評価される」ことを、他者に「コントロールされている」と受け取ってしまうことがあるのです。
ですからこのタイプの人を称賛する場合は「君はすごい!」などと個人について言及するのではなく、「最近、業績が良いな!」といったように、起きている事実に注目し言及する方が良いでしょう。
ここまでが行動タイプ(コントローラー)についての説明になります。このタイプの人に起業家などが多いと言いましたが、それは「リーダーにはこのタイプの人が適している」ということではありません。どのタイプの人にもリーダーとしての資質はあります。重要なのは自分の個性を理解し、それをいかにリーダーシップに上手く活用できるかという点ですので間違わないようにしてください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。次回は「分析タイプ」(アナライザー)について解説します。